2008年7月31日木曜日

山のぼりの天国と地獄 (火打山) 

7 月 9 日 (水)

23 時 池袋発の深夜バスに乗って妙高高原に出かけます。
ということで、大慌てで荷物をまとめ、入浴と食事を済ませ、妹に留守をよろしく頼んで、まだ荷造りもすんでいないのに帰りの遅いおっさんをイライラしながら待った。
ようやく 20 時頃に帰ってきたので、
「どうすんの!あと 1 時間ちょっとで出発なのに,仕度できるの!」とテンパってまくしたてたら、
おっさん、面食らった顔で 「今日は水曜日だよ」
私「そうだよ!」
おっさん「出発は木曜日だって言ったでしょ」
・・・・・。



7 月 10 日 (木)

23 時 池袋発の深夜バスに乗って妙高高原に出かけます。
荷物は前日にすっかりまとめたので、入浴と食事を済ませ、あらためて妹に留守をよろしく頼んで (超笑われる)、おっさんと一緒に深夜の池袋に。
カラー・ギャングに襲われるのではないかとドキドキしましたが、無事でした。

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深夜バスといえば「水曜どうでしょう」
「ボディブローのように効いてくるんだよぉ~」と大泉洋さんの口真似をするおっさん。
いや、まじで。一睡もできず。
7 月 11 日 (金)

早朝 5:30 くらいに高田駅に到着し、電車で妙高高原駅へ。そこから笹ヶ峰登山口までタクシーを使います。

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元気出して登ってゆきましょう。

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いきなり群れなすギンリョウソウにびっくり。

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空木ですね。

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しずく三兄弟~♪

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今回特に印象的だったこの白い花。
おっさんに「何の花かな?」ときいたら間髪入れずに「かっぱ草」という返事がかえってきた。
うそつき。(本当は「サンカヨウ」です。)

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天気は晴れから曇りから小雨まで、めまぐるしく変わる。

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ハシモト:「オレって黄色が似合うと思わない?」

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キヌガサソウ。 高谷池ヒュッテ近くの湿原周辺に、たくさん咲いていました。とてもきれい。

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そして、こちらがこの日のお宿の高谷池ヒュッテ。三角屋根が目印です。
チェックインして、荷物を軽くし、ここから火打山山頂を目指します。

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すごーーーい雪渓です。

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雪渓を超えるとハクサンコザクラの群生が。

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ほんとうは濃いピンクで、こんなに紫っぽい色ではないのですが。写真ではうまく映せませんでした。

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イワカガミは好きな花。

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天狗の庭と呼ばれる湿原から見た火打山。

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天狗様出てこないかな? 一緒に遊ぼう。

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頂上までひとがんばり、というところではこんなに天気がよかったのに。

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頂上にはガスがかかっていました。
火打山の山頂付近には雷鳥のファミリーが居るそうで、出会えるかなー、と楽しみにしていたのですが、残念ながら見当たりませんでした。

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高谷池ヒュッテの夕食は、カレーライス & ハヤシライス。
おかわり自由です。でもおのこしは許しません! (ごみを出さないため。)

ごはんを食べたら塩で歯をみがき (歯磨き粉はNG)、ふとんにもぐりこむやいなや電池が切れるみたいに意識が飛びました。
山小屋でこんなによく眠れたのははじめてでした。


7 月 12 日 (土)

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朝ごはんは中華丼。

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高谷池周辺のキヌガサソウの群生です。

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そして水芭蕉。

元気があれば、妙高山に登ろう、ということだったのですが、午後から天気が崩れるらしいし、なによりヘタレな私がよれよれになってしまったため、黒沢池周辺の湿原を見て、妙高山は迂回して燕温泉に下ります。

この黒沢池ヒュッテまでの道が、小さくて可愛い山の花が花盛りですごく楽しかった!

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「えーと、この花はなんだっけ?」 すぐに忘れてしまう、頭の弱いしろくま。
「かっぱ草」 とおっさん。うそつき。(サンカヨウなんです。)

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エンレイソウ。

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ツマトリソウ。

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写真は上手にとれなかったけれど、ツマトリソウ、マイヅルソウ、イワカガミが咲き乱れるくまの楽園。

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黒沢池ヒュッテの主のような鳥。人をあんまり怖がりません。

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ここで休憩。
重たいバーナーを背負ってきたので使わねば。

黒沢池ヒュッテから湿原へ向かいます。

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湿原といえばワタスゲ。

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私は湿原が大好きなので、疲れも吹っ飛ぶ感じでごきげんな時間を過ごす。
それから黒沢池ヒュッテに引き返し、おっさんが地図で選んだ比較的楽そうな下山道へ。

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途中、佐渡では見られなかった「シラネアオイ」の群生に出会い、感動。

ここまでは天国。
ここからは地獄であった。

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たいていの人は「妙高山」に登る目的でやってくるので、この迂回路はあまり人が足を踏み入れないらしい。
草が生え放題、道はところどころ崩落しているし、岩がごろごろしたところを通ることが多くて膝と足の爪先が痛くなってしまい、私は涙目に・・・。
しかも前日に降った雨でぬかるんだ道で何度も転び、あっちこっち泥まみれ。
泣きながら降りてきました。
(後日、登山ショップで靴を見てもらったところ、サイズが合っていないことが判明。登山靴は 1 センチ大きいものを買わないと駄目なんだそうです。こんなの履いていたら、下りで足が痛くなって当たり前、男でも泣きますよ、と登山ショップの方にあきれられる。 そんな靴を 2 年も履いていたということで、おっさんにもあきれられる。)

きわめつけに、残り 1 時間くらいのところで、沢を渡る道が雪崩れで埋もれていたのでした。
おそるおそる雪の上を歩いて渡って、端まで行ってみると、2 メートルくらいの高さを飛び降りないと登山道に降りられない。
下は川原の石がごろごろしていて、下手すると怪我しそうだし。
氷の弱いところを踏んでしまううと、川に落ちて流されそうだし。
でも、泣きながら下ってきたあの悪路を引き返す気力もないし。

途方にくれてしまって立ち往生していた私たちのところに、不意に登山者が現れました (救世主!)。それまで降りてくる間には一度も人に合わなかったのに、なんてタイミング。
状況を説明すると、彼は氷をあちこち調べて「ここから飛び降りられそうですよ」「荷物を降ろして飛んだほうがいいな」と冷静に判断。
まず、一番背が高いおっさんが飛び降りる。 (身長180 センチあるので 2 m を飛び降りる場合、要は 20 センチ飛べばよいわけで。)
そこでみんなの荷物をいったん手渡しで降ろして、次に救世主がひらりと飛び降りる。
最後に私が氷の端にへばりついてぶらさがったところを (膝が痛いのと臆病者なので飛び降りられない) 下からおっさんが足を抱え込んで降ろす、というかんじでなんとか全員無事に乗り越えました。

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これが、私たちが飛び降りた場所。(右手の木は降りた後で目印に立てました。)

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右上の方からやってきて、左下に降りました。

ひととおり無事を喜びあうと、救世主は ではお先に」とさわやかに去ってゆかれました。ほんとうにありがとうございました~。

その後は無口になりながらまたひたすら悪路を往き。
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ようやく一般道に出る頃には、私はすっかりゾンビになってしまっていた。
ハシモト:「ハッスルしろよ!なさけないなぁ」

足を引きずりつつ旅館にたどりつくと、温泉と夕食でなんとか息を吹き返しました。
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いや、今回は本当に死ぬかと思いました。(おっさんは大げさだと言うけれど。)
山の天国と地獄を味わった旅でした。






登山 LOVE のおっさんは、間髪入れずに高山植物で有名な白馬岳の縦走を計画しました。
しかし私は階段の上り下りが未だにぎくしゃくするするほど膝を痛めてしまったので、おっさんにはひとりで行ってもらうことにしました。
先日、夜行で出かけるおっさんが仕事から帰ってくる前に友達と遊びに出かけた私は、「ごはんは冷蔵庫!」とメモを置いていったのですが、深夜近くにいい気分で帰宅したところ、そのメモの裏に「ハシモトとリュックはあずかった。白馬まで来い」とのメッセージが。

しょうがないので明日、探しに行ってきます。白馬まで。
ハシモトとリュックに無事会えるかなー。