旅行にゆくときはすくなくとも 1 週間前くらいまでには、電車や宿の予約などをしなければなりません。そうやって準備万端整えたあとの最大の心配事が天候。こればっかりは前もって予想できないものです。
3 月 27 日
雪割草を探しに新潟は弥彦に旅立った日は、それまでの小春日和が嘘のような寒い朝。上越新幹線で北上するにつれて雪がちらつきはじめ、越後湯沢駅を通過するころには猛吹雪。窓の外は白銀の景色。線路に凍結防止の水がジャージャー撒かれていました。こんな中でトレッキングするのだろうかとびびりまくるくまたち。しかし、長岡辺りから一転して小雪がちらつく程度になり、燕三条に到着する頃には青空も見えるようになりました。
内陸と海側ではまったく気候が違うらしい・・・。
1 年ぶりに弥彦線の菜の花色の電車に乗り込む。
弥彦駅でタクシーに乗って弥彦山の八枚沢登山口まで。運転手さんによると前日に結構雪が降ったそう。山の方へ向かうにつれ、路面にもうっすら雪が積もっていました。
登山口でスパッツをつけるなど準備をしていたら、すでに散策を終えて戻って来られた一団と遭遇。「きれいな花が咲いていましたよ~」ということなので一安心。沢を渡り、雪融けでぬかるんだ道を出発。
1 年ぶりの雪割草!
カタクリは雪の中から顔を出しているけれど、雪割草は雪に埋もれてしまっているものも多いみたい。
うはぁ、道がないよ! はからずもスノートレッキングすることになってしまった。時折、ふわふわと雪が舞い散る。
で、足元ばかり見て歩いていたら、道をまちがえた!弥彦山方面を目指さなければならないのに、国上山へ至る縦走路に入り込んでいたので後戻り。ちゃんと看板あったのに・・・。
これは昨年、逆ルートをたどったときにも迷った魔の分岐点なのであった。
雪の能登見平でお昼休憩。昨年もここでお昼にしたけど、雪は積もってなかったなぁ・・・。
じっとしているとどんどん寒くなってくるよー。あったかい紅茶をどうぞ。
弥彦山 8 号目あたりから妻戸尾根に入り、出発点の八枚沢登山口まで下ります。
下るにつれて、雪の下から雪割草の花がちらほら目につくようになってきた。
ぬかるみを歩いたせいでハシモトの顔に泥はねが。ほくろじゃないよ。
群生に出会った~。あー、うれしぃ~。
登山口からタクシーを呼びました。行きに乗せてくれたのと同じ運転手さんがやって来てくれた。
そして、弥彦に来たらもう 1 つの楽しみがこれだ!
パンダ焼き! くまはチーズクリームが好き。パンダ焼きやのおばちゃんも健在であった。
燕三条まで戻ってビジネス・ホテルに宿泊。 夕食はサティで。
ホテル前のケーキ屋さんでケーキ勝って食べた。おいしかった。
3 月 28 日
この日は沢沿いに弥彦山に入ります。
何度も沢を渡らねばならず、道も荒れ気味で、なかなかの難コースですが、静かで大好きな場所です。ゆえにあまり団体さんが押し寄せるような人気スポットにはなってほしくないなぁー。
道の真ん中に生えていたコシノコバイモ。踏まれませんように・・・。
そして何気なく見上げた斜面に、雪割草の姿がありました。
誰の手も届かないような場所にまで、ひっそりと、それでも見事に咲き誇っています。決して間近で見ることはできないけれど、そこに咲いていてくれるだけでもうしあわせ。
毎年思うことですが、くまのカメラでは複雑で繊細な花の色が再現できなくて口惜しいところ・・・ 。
その点おっさんのカメラは私のカメラよりも解像度が高いので、さすがきれいめ。
キツネノサカズキ。でもほんとはキツネさんより、くまにちょうどいいサイズだと思う!
うきうきと自然を堪能していたら、またもや予想を上回る時間が経ってしまった。そこで昨年も出かけた、カタクリの花が咲き乱れる剣が峰を回って帰るか、それともそこからすぐに引き返して温泉に入浴するか、という二者択一に。
迷った挙句、温泉はあきらめて剣が峰に上ることになった。
しかし、剣が峰の登山道が雪のせいでぐちゃぐちゃのぬかるみに。しかもかなりの傾斜があるので、つるつる滑る・・・。正直登り始めてすぐに「止めときゃよかった・・・」と後悔した。しかしなんとか最後まで転ばずに登りきることができた。
そうして苦労して訪れた剣が峰頂上ですが、寒さのせいか昨年ほどには開花していませんでした。でも海も見渡せて、すがすがしい。
キクザキイチゲ の群生にも出会ったよ。
くまのすきな青いキクザキイチゲも。
さすがに疲れたなぁ、と思いながら沢沿いの道を戻ります。来た道で出会った花たちにもう一度挨拶をしながら帰ります。
登山道を降りきったところで「タイツを脱ぐ」と言い出すおっさん。登山用タイツはサポート力が強く、登り下りで足を痛めるのを防ぎますが、山を降りてしまうと圧迫感が気になりあまり快適ではありません。この日は剣が峰の登山道を除くと、行きも帰りも誰にも出会わなかったのですが、さすがに道の真ん中で脱ぐのはまずいだろうと、登山道下の水門のある場所に移動。そこでおっさんがズボンに手をかけるや否や、行列を組んだ 30 人ほどの登山者集団がやって来た!慌ててズボンを履きなおすおっさん。絶妙すぎるタイミングで、なんだかおかしかった。
しかし静かなあまり有名でないコースだと思い込んでいたけれど、余所者の私たちが知っているくらいなんだから、そりゃ知っている人は知っているよねぇ・・・。
さて、タクシーを呼んで電車に間に合うように帰らなければ!やって来たタクシーの運転手さんは、なんと昨日二度お世話になったのと同じおじさんであった。すっかりおなじみ。
新幹線の中で食べた駅弁、おいしかった・・・。(遅すぎるお昼ごはん。)
そして西陽に照らされる弥彦山に別れを告げて、雪割草をたずねる弥彦のくまたびは終わった。また来年ね~。